CPAエクセレントパートナーズ株式会社(以下、当社)は、2025年8月より公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(以下、B.LEAGUE)のキャリアマネジメントプロジェクトパートナーに就任しています。

プロアスリートが現役時代から会計ファイナンスをはじめとするビジネススキルを身につけることは、金銭的な自己管理にとどまらず、コート外でのデュアルキャリアの推進や、将来のセカンドキャリアに向けた大きな力となります。当社は、選手やスタッフの皆さまが「一人のビジネスパーソン」としても成長し、自身のキャリアの可能性を大きく広げていけるよう、会計ファイナンス領域における教育支援を展開しています。 

このたび、B.LEAGUEが毎年シーズン開幕前に実施している選手研修において、当社講師の山本健太郎が登壇いたしましたので、その模様をお知らせいたします。

選手研修の概要と登壇の背景

B.LEAGUEの選手研修は、自身を取り巻く環境への理解を深め、 社会人・プロ選手としての自覚の醸成を目的として、毎年シーズン開幕前に行われています。

当社からは、オンライン形式で実施された7月28日の「新人選手研修」と、7月30日の「2年目・3年目選手研修」に、公認会計士でありCPA会計学院の講座講師を務める山本健太郎が登壇。プロとして第一歩を踏み出した選手や若手選手に向け、税金や確定申告の基礎、お金との向き合い方についての講義を担当しました。

講義内容「プロアスリートに必要なお金の基本」

講義冒頭では、山本講師は自身の経歴(20歳で公認会計士試験に合格後、当社で講師を務めながら会計事務所「株式会社SoVa」を設立)を紹介したうえで、アスリートが押さえておくべき会計や税金のポイントについて分かりやすく解説しました。

1. 確定申告の重要性と個人事業主としての自覚

プロバスケットボール選手は、法律上「個人事業主」に該当します。会社員のように税金が自動的に調整される仕組みとは異なり、自分自身で1年間の収入と支出を計算し、税務署へ申告・納税(原則として毎年3月15日締め切り)しなければなりません。山本講師からは、「税金は放置しても数年後に利息や追徴課税が乗った状態で必ず請求されます。自分の手元資金とキャリアを守るためにも、1年目から期日を守り、正しく確定申告を行うことを徹底してください」と、納税としっかり向き合う重要性が強く語られました。

2. 経費の考え方と注意点

税額の計算根拠となる事業所得は、チーム等からの収入から必要経費を差し引いて算出されます。経費として認められる基準は「競技成果を上げるために必要な支出であるか」「説明・証明(領収書の保管など)ができるか」です。チームワークを高めるための食事会など選手にとって身近なケースについても触れつつ、正しい判断基準を提示しました。

3. 年俸変動と住民税の罠に備える

税制上の注意点として「住民税は前年の所得をベースに計算される」という仕組みを強調しました。例えば、前年の年俸が高く翌年の年俸が下がった場合、下がった年の収支に対して前年の高い年俸に応じた住民税が課されるため、手元資金が圧迫されるリスクがあります。1年目から気を緩めず、計画的な貯蓄や資産運用(iDeCoやNISA等の活用)を行い、将来の年俸変動や怪我、セカンドライフへ備える重要性を説きました。


山本講師インタビュー「会計ファイナンスの知識は、人生の手綱を握り人間形成を支える土台」

講義終了後、登壇した山本講師に今回の研修に込めた思いや、選手たちが会計ファイナンス知識を学ぶ意義についてインタビューを行いました。

——まず、山本講師は大のバスケットボールファンとお聞きしました。

山本講師「そうなんです。実は実家が東京八王子ビートレインズのアリーナの目と鼻の先にあり、学生時代からは東急ドレッセとどろきアリーナ(川崎ブレイブサンダースのホームアリーナ)へ毎月観戦に通い詰めるほどの生粋のB.LEAGUEファンです。普段コートで応援している選手のみなさんを前にお話しするのは少し緊張もしましたが、一人のファンとして、そして会計ファイナンスのプロとして、選手たちのこれからの素晴らしいプロ生活を全力で応援したいという思いで臨みました」

——今回の研修で、選手たちに最も強調したかったポイントは何でしょうか?

山本講師「一番伝えたかったのは、プロ1年目のスタートが肝心であるということです。最初に『確定申告なんて適当でいいや』『稼いだお金は全部使って遊んでしまおう』という意識がついてしまうと、後から軌道修正するのは非常に大変になります。プロアスリートは高収入を得られる可能性がある一方で、選手生命も年俸も予測しにくいことが特徴です。まだ身体も意識も学生時代の感覚が残っている若いうちから、稼いだお金をしっかり貯蓄や資産運用に回す習慣をつけ、将来の備えや税金の負担をカバーできる土台を作っておくことが、一人の人間としての安定したキャリア形成に繋がります」

——お金の管理に関して、プロアスリートが陥りがちな注意点はありますか?

山本講師 「お金の管理に関して、よく分からないから全て誰かに任せきりにする状態を作らないことが重要です。信頼できる専門家や代理人に実務を依頼すること自体は全く問題ありません。しかし、自分自身が仕組みや内容を一切理解しないまま任せてしまうと、予期せぬトラブルやミスがあった際に対処できなくなってしまいます。お金は、自分自身の身体や家族の次に大切な資産です。すべてを自分で抱え込む必要はありませんが、しっかりと内容を理解した上で『手綱は自分で握っておく』という姿勢を持ってほしいと思います」

「キャリアマネジメントプロジェクト」の取り組みについて

CPAエクセレントパートナーズは、B.LEAGUEのキャリアマネジメントプロジェクトパートナーとして、今回の研修にとどまらず、多角的なアプローチで選手やスタッフの皆さまの学びと成長をサポートしています。

1. いつでも手軽に学べる「オンライン教育環境」の提供

現役選手が継続的にビジネススキルを育めるよう、無料学習プラットフォーム「CPAラーニング」等を活用した学習環境を提供していきます。選手は、スキマ時間を活用して簿記や会計、ファイナンスの基礎を自分のペースで体系的に学ぶことができます。

2. 選手だけでなくクラブ・リーグスタッフのビジネス力強化

プロアスリートのデュアルキャリア・セカンドキャリア支援はもちろんのこと、クラブを支えるスタッフの会計や経営スキルの向上も支援しています。組織全体のビジネス基盤を強固にすることで、スポーツビジネスとしての持続的な成長に寄与します。

3. B.LEAGUEのビジョン「感動立国」の実現に向けたトップ対談と情報発信

プロジェクト発足にあたり、B.LEAGUEの島田慎二コミッショナーや、B.LEAGUEで理事を務める岡田優介氏をゲストにお招きし、当社代表の国見健介との特別対談を実施しました。スポーツビジネスの現場において会計ファイナンスのスキルが不可欠である理由や、次世代のスポーツ界を担うリーダー育成について発信しています。

当社は今後も、B.LEAGUEのキャリアマネジメントプロジェクトパートナーとして、引退後も見据えた豊かな人生を描くための知識やスキルの提供に努めてまいります。