
CPAエクセレントパートナーズ株式会社は、会計ファイナンス教育のプロフェッショナルとして、近年スポーツ界への貢献を加速させています。JリーグやB.LEAGUEとの連携を通じ、私たちが目指しているのは単なる「引退後の仕事紹介」ではありません。現役時代から「競技」と「知性」を同時に磨くことで、アスリートのパフォーマンスを最大化し、人生の選択肢を広げる――そんな新しいキャリアモデルの創造です。
その最前線を走るのが、パートナーシップを結ぶJFL所属のサッカークラブ「クリアソン新宿」の坂本修佑選手です。
彼は、JFLの激しいフィジカルコンタクトに身を投じる現役のディフェンダーでありながら、同時に合格率数パーセントと言われる最難関国家資格「公認会計士」に挑む受験生でもあります。練習と試合の合間を縫って捻出する学習時間は、週40時間。
「会計を学ぶことで、ピッチ上の景色が変わった」と語る彼が、二つの道を極める過程で見つけた「思考の共通点」とは何か。CPA会計学院の人気講師・山本健太郎講師と共に、アスリートの進化論と、その先にある野望に迫ります。
プロフィール
坂本 修佑 1993年生まれ。大阪体育大学卒業後、奈良クラブ、アスルクラロ沼津、FC大阪を経て、現在はクリアソン新宿に所属。強靭なフィジカルを武器にDFとして活躍。2021年より、現役選手としてプレーを続けながらCPA会計学院で公認会計士試験の学習を開始。
山本 健太郎 CPA会計学院 講師 / 公認会計士。慶應義塾大学在学中に公認会計士試験に合格。大手監査法人を経て、CPA会計学院の講師となる。簿記検定から公認会計士講座まで幅広く担当し、その熱く分かりやすい講義で多くの受験生から絶大な支持を得ている。
「サッカー以外でも魅力的な人間」になるための“攻め”の学習
山本
坂本さんは現在もJFLで活躍されていますが、なぜ難易度の高い公認会計士を目指そうと思われたのでしょうか?
坂本
きっかけは約10年前、大学卒業時に遡ります。当時はJリーグのチームから声がかからず、JFLの奈良クラブでキャリアをスタートさせました。当時はサッカーだけでは生活が成り立たず、ジムのトレーナーやシニア向けサービスの立ち上げなど、仕事を掛け持ちする日々でした。その中で出会った多くの経営者の方々が、すごくイキイキと働いていて、楽しそうだったんです。その姿を見て、「サッカー選手としてだけでなく、一人の人間としても魅力的になり、彼らと肩を並べて仕事がしたい」と感じるようになりました。
山本
「引退後が不安だから」ではなく、「あの人たちと一緒に仕事をしたいから」というポジティブな動機だったのですね。数あるスキルの中で、なぜ会計だったのですか?
坂本
最初はPCスキルなどを学んでみたのですが、どうもしっくりこなくて。そんな時、簿記に出会い、数字がピタリと一致する感覚や、財務諸表のパズルが解けるような構造に面白さを感じました。簿記3級、2級と勉強が進むにつれて、「もっと深く知りたい」という欲が出てきたんです。高校・大学とサッカー推薦で、机に向かって勉強する習慣は皆無だったのですが、「どうせやるなら一番難しいものに挑戦しよう」と会計士の道を選びました。
山本
勉強習慣がなかったところからのスタートとは驚きです。
坂本
社会に出て決算書ひとつ読めない自分に衝撃を受けたことも大きかったですね。同僚に読み方を聞いても「うちは黒字だから大丈夫」といったざっくりした答えしか返ってこない。もし自分が決算書を深く読めるようになれば、チームの構造やお金の流れといった組織の全体像が見えるようになり、世界が広がるはずだと確信したんです。

週40時間を生み出す「仕組み」作り。家族と離れてでも手に入れた環境
山本
CPA会計学院の公認会計士講座に申し込むと、積み重ねたら身長を超えるくらいのテキストが届きますよね(笑)。圧倒されませんでしたか?
坂本
SNSで合格者のテキストの山を見て覚悟はしていましたが、実際に届いて本棚が会計の本だけで埋め尽くされたときは、「これを全部理解しないといけないのか……」と改めて身が引き締まりました。
山本
平日は練習、週末は試合というハードな生活の中で、どのように学習時間を確保しているのですか?
坂本
基本的には、午前中にチームの練習があり、午後はCPA会計学院の校舎へ移動して夕方から夜までの5〜6時間を勉強に充てています。週の合計学習時間は30〜40時間ほどです。そして実は、より勉強にコミットするために、家族と相談して大きな決断をしました。妻と子供には一時的に実家へ戻ってもらい、私はCPA新宿校に近いエリアに、1Kの部屋を借りて一人暮らしを始めます。
山本
えっ、そこまで徹底されているんですか! 校舎の近くに引っ越してまで勉強時間を確保するというのは、受験生の中でも相当な覚悟です。
坂本
移動時間を極限まで削り、自習室での時間を最大化するためです。練習で疲れて眠い時は、まず15分だけ仮眠をとって頭をすっきりさせてからスイッチを入れます。そうやって環境を作り込むと、逆に勉強しないとそわそわするようになってしまって。家族サービスの日などで勉強できない時間があると、CPAの自習室にいない自分が落ち着かないくらい、生活の一部になっています。
山本
トップアスリートがトレーニングを1日でも休むと気持ち悪いと感じる感覚と同じですね。チームメイトの反応はいかがですか?
坂本
チームに加入した当初から「会計士を目指す」と公言していたので、理解してくれています。遠征の移動中、周りが動画を見たりリラックスしている横で、私一人だけテキストを広げていることもありますが、「やってるな」と静かに見守ってくれていますね。

「原則と例外」の思考法。会計の知見がピッチ上の判断を進化させる
山本
「勉強すると競技パフォーマンスが落ちるのでは?」という見方もあるかと思いますが、実際はいかがですか?
坂本
全く逆です。私は今年で33歳になりますが、2025シーズンは全試合フル出場し、1分も休まず戦い抜けました。この年齢でも成長できているのは、間違いなく勉強との相乗効果です。特に役立っているのが、会計で学ぶ「原則と例外」という思考プロセスです。会計基準に原則と例外処理があるように、サッカーの戦術にもチームとしての「原則」があり、ピッチ上で予期せぬ事態が起きた時の「例外」の対処法が存在します。
山本
面白い視点ですね。思考が構造化されることで、判断の質が変わったと。
坂本
はい。若手選手に指導する際も、以前は感覚で伝えていた部分を、「原則はこうだが、今の状況は例外だからこう動くべきだ」と、全体像を示しながら論理的に説明できるようになりました。思考の中で勝利からの逆算がスムーズになり、プレーの迷いがなくなった感覚があります。
山本
ビジネススキルとしての変化はありましたか?
坂本
クラブとの年俸交渉が変わりました。以前は感情的に「上げてください」と頼むだけでしたが、今は会計の知識があるため、クラブの予算規模や人件費の枠組みがある程度想像できます。「この経営状況で、自分の貢献度なら、これぐらいの昇給が合理的だ」と、数字を根拠に冷静に交渉できています。無理な要求をせず、現実的なラインで自分を売り込めるようになりました。
山本
会計リテラシーを持つことで、選手としての視座が高まり、結果として競技力や交渉力が向上しているのですね。これは全てのアスリートにとって重要な示唆だと思います。

敗北を力に変える。理論と計算の壁、そして次への闘志
山本
受験勉強において、苦手科目や壁にぶつかることはありますか?
坂本
計算系(財務会計・管理会計)はパズル感覚で好きなのですが、理論科目がどうしても苦手ですね。暗記に走ってしまいがちで、少しひねった問題が出ると対応できないのが課題です。実は、直近の12月の短答式試験では、手応えはあったものの合格ラインには届きませんでした。以前は全く歯が立たない感覚でしたが、今回は戦えた実感があった分、イージーミスが悔やまれます。
山本
その悔しさは、どのようにモチベーションに変えているのでしょうか。
坂本
今回、会社からも応援していただいている中で、「不合格でした」と報告した時が本当に辛かったです。みんなに申し訳ないというネガティブな感情と、「なりたい自分になるんだ」というポジティブな感情、その両方をエネルギーに変えています。次は絶対にいい報告をするんだ、という気持ちが、毎日の勉強に向かう原動力になっています。
山本
アスリートらしいメンタリティですね。私がよく思うのは、スポーツでトップを目指してきた方は、「自分の感覚」と「セオリー」をすり合わせる能力が高いということです。理論科目も、丸暗記ではなく「なぜそうなるのか」という自分の感覚に落とし込めれば、一気に伸びるはずです。
日本人選手の価値を「数字」で証明したい。会計士としての未来図
山本
今後、公認会計士試験を突破された後のビジョンについてお聞かせください。
坂本
まずは監査法人に入り、上場企業やグローバル企業の内部を数値面から見る経験を積みたいです。選手としてJ1や海外のビッグクラブでプレーする夢は叶いませんでしたが、会計士としてなら、それに匹敵する規模の組織を支え、学ぶことができます。将来的には、その知見をスポーツ界に還元したいと考えています。特に取り組みたいのが、「日本人選手の市場価値の適正評価」です。
山本
具体的にはどのようなことでしょうか?
坂本
海外では選手の市場価値が明確に数値化されていますが、日本ではまだ評価軸が曖昧で、不当に安く見積もられているケースも多いと感じています。選手のスキル、能力、知名度などを、会計的な視点も交えて数値化し、適切に評価される仕組みを作りたい。そうすれば、日本の選手が正当な対価を得て、世界へ羽ばたくチャンスをもっと増やせるはずです。選手としての痛みも、ビジネスとしての論理もわかる自分だからこそ、できる仕事だと思っています。
山本
素晴らしいですね。プロサッカー選手の経験と公認会計士という高度な専門性。この二つを掛け合わせた坂本さんにしかできないリーダーシップで、スポーツビジネスの未来を変えていく姿が目に浮かびます。最後に、仕事や家庭と両立しながら学習を続けている方々へメッセージをお願いします。
坂本
仕事や家庭がある中で勉強時間を確保するのは、何かを犠牲にしなければならない苦しい道のりだと思います。私自身、家族との時間を調整したり、プレッシャーを感じることもあります。しかし、資格を取った後の自分を想像することで、そのつらさはやりがいに変わります。つらい中にも楽しみを見つけながら、長いマラソンを一緒に走り切りましょう。僕も「あの時頑張ってよかった」と笑って終われるように、今後も挑戦し続けます。
山本
「二刀流」を実践する坂本さんのポジティブな姿勢は、多くの受験生、そしてビジネスパーソンにとって大きな希望です。本日はありがとうございました!
坂本
山本先生、実は最後にご相談がありまして……。
山本
お、何でしょう?どんな質問でもどうぞ。
坂本
先ほどお話しした通り、12月の短答式試験が悔しい結果に終わってしまい、5月に向けての戦略を練り直したいんです。それで先生の個別相談(カウンセリング)を予約しようとしたんですが、人気すぎて枠が空いてなくて!(笑)
山本
あはは、そうでしたか(笑)。それは失礼しました。
坂本
なので、この対談の場をお借りして、少しだけアドバイスをいただけないでしょうか?
山本
もちろんです!坂本さんのその熱量、放っておけるわけがありません。では、インタビューの録音はここで止めて、ここからはオフレコでガッツリ作戦会議をしましょうか。僕のノウハウ、全部お伝えしますよ!
坂本
本当ですか!ありがとうございます。ここからのアディショナルタイムも大事ですね(笑)。よろしくお願いします!

「サッカーか、勉強か」。そのどちらか一つを選ぶのではなく、両方を極めることでしか見えない景色があることを、坂本選手は証明し続けています。ピッチ上の判断力を会計で磨き、試験への重圧をアスリートの精神力で乗り越える。この「二刀流」のスタイルは、アスリートのみならず、現代を生きるすべてのビジネスパーソンにとって、新しい成長のロールモデルとなるはずです。
CPAエクセレントパートナーズは、クリアソン新宿とのパートナーシップを通じ、坂本選手のように既存の枠組みを超えて進化しようとする挑戦者を、全力でバックアップしてまいります。

